2025年7月30日
■入院41日目。「熊本・クライミング/ボルダリング・ROCKBAKKA/ロックバッカ」
ROCKBAKKA/ロックバッカ

皆さん
こんにちは
朝から
ピーナッツバターパンを
頬張った河端です
やっぱり何度食べても
美味しい
ここでのピーナッツバターパンも
今日で最後かなあ
少し悲しくなりますね
と言うのも
皆さん
本日で最後の入院生活
とうとう明日退院です
長かった
本当に長かった
苦しくもあり
楽しい道のりでもあった
今思い返すとですね
これで
皆様と
入院生活を通して
お話しできるのも
最後と思うと
少し寂しいです
何だか物足りない
そんな感覚でしょうか
でもまあ
また新しい一歩に向かって
進んでいきたいと思います
そして
皆さんとはまた違う形でお会い出来たらなと
思っております。
では
最後までお付き合いください
【着メロおばはん】
いつもと変わらぬ朝
可もなく不可もなく
ただ淡々と時が過ぎていく
朝日が顔を出すころ
私は
むくむくッと
寝床から這い上がり
この病院に来てからの
通常運転をスタートさせる
顔を洗い
トイレに行く
水を一杯
ゴクリと飲む
気合いを充分に入れたら
筋トレを始め
約1時間
みっちりと鍛え上げるのがお決まり
指先からつま先まで
まんべんなく
滞りなく
仕上げていく
実はと言うと
ここ最近
筋トレの成果を感じ始めている
少し前までは
すればすするほど
落胆していたものが
なんだか少し様子が変わって来ていた
やれば出来るエリアに少しでも入ると
人は興奮し
モチベーションを上げる生き物なんだなと
身をもって感じた
それが終わると
またコップを手にし
ゴクリゴクリと水を飲む
これがトレーニング終了の合図だ
それからは
手帳をつける
これも大切な日課だ
さらにそれが終われば
病院に来てからの習慣となった
左手で絵を描く
という仕事
「仕事」と言ったのには
理由があって
お店のインスタグラムに投稿するためだからだ
と言っても半分は遊びみたいなもので
楽しみながら描いている
「今日は何にしようかなー」
いつもこの時間が楽しい
基本
入院をテーマにして
主人公は「私」という設定で
描き上げていく
条件は
左手で描くこと
それ以外は
好きにしていいものとしている
どれだけの人が楽しみにしてくれているかは
わからないが
一番楽しみなのは
自分だ
「今日も面白く描けた」
その満足感が
これから始まる
一日を後押しする
描き終えると
しばらく時間が空くのだが
看護士さんがつかつかとやって来て
検温をしたり
コーヒーを淹れて飲んだり
本を読んだりしていると
午前8時
朝ご飯の始まりがくる
「河端さーん」
「お食事でーす」
「お名前教えてくっださいっ」
名前を呼ばれているのに
名前を聞かれる
その暗号交換のような
やり取りの後
正式に
食事が配給される
驚くことに
メニューは毎度変わっていて
この私を飽きさせない
そして
なお美味いので
文句のつけようがない
「パシャ」
いつものように
食事を写真に収める
見取り図のように上空から一枚
フォトジェニックに斜め右から一枚
合計二枚
入院してからの食事は全て納めてきた
一日3食だから
42日分で126食
それに対して2枚なので
252枚の献立データが
このiPhoneに入っていることになる
そんな
食事の時間を終えると
だいたい
9時から
リハビリが始まる
この熊本で一番大きいと言われている
巨大リハビリ施設は
ドーム型で
天井が高い
そして
冷やすにも
暖めるにも
時間がかかりそうなこの場所の
隅っこで
私のリハビリは
いつも静かに行われている
「よろしくお願いします」
その一言がだいたいの始まりで
あとは
上げたり
下げたり
伸ばしたり
引いたり
様々な角度から
手術した右腕をこねくり回す
良い日もあれば
悪い日もあるが
与えられた時間は
およそ
30分
よって
終わりは
約9:30分
それからが
本番なのである
そう一日の始まりは
むしろ
ココからなのだ
昼ごはんは
12:00
それまでの
約2時間30分が
まずの
第一関門
何をして過ごすかで
一日の良しあしが変わる
私は
だいたいこの時間を少しお借りして
BLOGを書く
するといい具合で
昼ごはんの時間となるからだ
昼を頂くと
12:30分
そこから
午後6:00の夕食までの間が
完全なフリータイムで
この時間をいかに上手に使い切るかが
日々の満足度の違いになっていた
そのあとは
お風呂に入って
ベッドに転がり
ゆっくりする
ゴロゴロしたり
本を読んだり
動画を見たりして過ごす
最後にもう一度検温の時間があり
午後10:00
消灯となり
一日を終える
これが入院生活の全てだ
そう
その日だって同じだった
ある一つの事を除いては・・・
お昼を食べ終わり
夕食までの時間
いつものように
お気に入りの場所に出かけた
読みかけの本
絵を描くためのipad
アイディアを書き起こすためのノート
それらを紙袋に一つまとめにして
5分ほどかけて歩くと
本館につく
本館は
新しくできたようで
まだ綺麗や新しさが残っている
その二階が
外来ロビー
そこから階段を降りた
一階には
小さいながら
コンビニもある
私は
寄り道して
珈琲を買う事にした
この時期だから
アイスコーヒーを選んだ
もらったクオカードで支払いを済ませて
左手に紙袋
右手に珈琲
を持って
いつもの場所へ
歩いて行った
その場所は
外来ロビーを抜け
本館正面玄関の目の前にある
もっこす珈琲という名の喫茶店の
ちょうど裏手に位置するその場所に
赤いふかふかなソファが
ひとつ
ドンと置いてある
ここが私のお気に入りの場所だった
外来ロビーのにぎやかさとは正反対で
静かで
人気が少ない
穴場なのだ
その背面には
図書室があって
そこもおすすめの場所
私は
そのふかふかなソファにもたれかかり
本を読んだり
絵をかいたり
物思いにふける
この日も誰もいない
「よし」
意気揚々と席につくと
珈琲を目の前にあるテーブルに置いた
すでに
アイスコーヒーのカップには
汗をかいたようにしずくがついている
「ふぅ」
と
一息ついた
しばらく
本を読んだ
このソファは
とても座り心地が良く
長時間座っていても決して疲れることは無い
そんな優雅な時間を過ごして
何分経っただろう
おおよそ斜め左後方くらいから
一人の女性が歩いてきた
その女性は
見るからにという感じの
関西風ないでたちで
「おばはん」
まさにそんな言葉が似合う
おばはんだった
奇しくも
そのおばはんは
私の背後の
椅子
ベンチと言っても良いくらいの
腰かけ椅子に
「よいしょっ」
と座った
なぜ背後に来たか謎だった
周りは誰もいない
他の席もあいている
なのに何で
よりにもよって俺の後ろなんだ
背後を取られているものだから
なかなか落ち着けやしない
本に半分
もう半分は
おばはんに
心奪われていた
そのくらいの時だろう
私の嗅覚がなった
何かネタの匂いがする
そんな不思議な感覚に襲われた私は
本1割
おばはん9割に
意識を変えていた
「それにしてもなんて近いんだ」
はたから見ると
この二人の距離感は
奇妙だろうと思った
それでもなお
背後のおばはんを意識した
何かを
せせくっている音がする
がさがさゴソゴソ
そのせせくり音は次第に不快音となり
私の耳にビーンと響いていた
「何をせせくっているんだ。いい加減にしてくれ」
心の中でそう叫んだ
その時だった
「ア~~~~っ」
重低音
人の声のような音が
一瞬鳴った
それはほんの一瞬で途切れ
「はーい、なんねー」
と
おばはんが
一人で
しゃべり始めた
「やべー奴だ」と一瞬思ったが
私は
すぐに電話だと気が付いた
しばらく
おばはんの会話は続いて
何かあるんじゃないかと
聞きたくもないおばはんトークに耳を傾ける自分が
あほらしくもなった
ほどなくして
会話は途切れた
ようやく電話が終わり
「俺の勘違いだったか」
そう思っていた時にまた
「あ~~~~っあっ」
さっきのだ!
さっきの声には続きがあった
それにしても何なんだこの声
気色が悪い
その音のすぐあと
またおばはんの会話が始まる
なに?
あの音の後に会話が始まる
さっきもそうだった
しかも今のは少し長かったし
もしかして
これは着信音か?
でもこの時代に
あんな不可思議な音の着信音があるのだろうか
聞きたい
もっと聞いてみたい
「あ~」の後には
何が待っているのだろう
私の興味は
もはやおばはんではなく
おばはんの携帯電話に移っていた
早く
早く
誰でもいいから早く
おばはんに電話をかけてこい
ゴーゴーと沸き立つ
私の
願いが頂点に達した時
ついに
それは鳴った
「あ~~~~~っあ~~~~~♪」
え?
これって・・
「川の流れのよ~~~~~にぃ~~~~~~~♪」
あの伝説の歌手
美空ひばり氏だった
音はそこまでなると切れ
「は~い、もしも~し」
代わりにおばはんが鳴った
今この時代に
着メロを変えているという事実
それが
美空ひばりの「川の流れのように」であるという事実
持ち主は関西風なおばはんであるという事実
「パンチ効いとるなぁ」
どれをとっても
個性しかない
私は
おばはんの事は何一つ知らないが
おばはんの好きなものだけは
一瞬で理解できる
自信満々にそう思った
世の中には
沢山の
「逸材」が
眠っているが
それと出くわす機会は
とても少ない
しかし
この入院において
私は
何度となく
「逸材」を
見てきた
この日も例外でなく
まさしくそれは
「特級呪霊」
であった
「領域展開」
そう心の中で
私は呟き
そっと
本を閉じた
すると
おばはんは立ち去って行った
この日の夕飯がうまかったのは
言うまでもないことである
もう会う事もないであろう
そのおばはんに
私は
「着メロおばはん」
と命名した
完
~あとがき~
さてさて
私は今キーボードを叩いている
今日も無事に終わりそうだと思いながら
そして明日は退院
皆さんとしばらく
お別れになるかもしれない
残念だ
でも私は
戻ってくるだろう
また新たな
ネタを見つけて。
この入院記録は
終わるが
私の情熱は終わらない
また皆さんとお会いする日を心待ちにして
それではまた明日
本日も
無人営業にて
営業しております
明日より有人営業の始まりです
皆さんドシドシご来店ください!!
世界の河端
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【ロックバッカキッズスクールについて】
詳細は
以下です。
-----------------------【日時】-----------------------
金・土・日
金/17:00~18:00
土・日/15:00~16:00
-----------------------【回数】-----------------------
月4回・月8回
-----------------------【料金】-----------------------
月4回 6,000円
月8回 10,000円
月4回+フリーパス 8,500円
月8回+フリーパス 12,000円
-----------------------【入校資格】-----------------------
小学生
-----------------------【制限人数】-----------------------
10名限定
-----------------------【スクール内容】-----------------------
ロックバッカでは
「クライミングとは」
というシンプルな課題に取り組みます。
子供達のレベルに合わせて
課題に取り組むことにより
日々成長をしていくことが出来ます。
文字通り
体幹・筋力アップ
脳の神経発達
などは
もちろんのこと
最終的には
立派なクライマーとして
独り立ちできるようになってもらうため
コーチングしていきます。
その中でも
スクールを通じて
養ってもらいたいのは
クライミングという競技の中での
身体・精神のたくましさ
力強さ
そして何よりも大事なことである
「楽しいことに夢中になる」
ということです。
スクールですから
進級したり
レベルアップしたりと
形を求めがちになってしまいます。
もちろん
それも大事なことではありますが
ロックバッカでは
強さはもとより
楽しむことに重点を置きます。
全力で夢中になり楽しめる力が
将来長い人生を歩んでいく中で
必ず必要になってきます。
その力強さが
人を成長へと導くと考えます
学校以外で
楽しいことが待っている。
だから頑張れる
そんな日常を目指して欲しいのです。
人生そんなに甘くはない。
でも
楽しいことも沢山したっていいのです。
子供達には
そんな楽しむ力を
身につけて欲しいなと思います。
そして
楽しいことでも
時には
つらい時もあります
そこで養えるのが忍耐力になります。
楽しいことで頑張ってもらいたいです。
私が教えてあげられることは
ごく僅かだと思っています。
あとはその中で子供たちが
自身で考え
答えを導きだしていきます。
そのサポートをやっていけたらなと
今は思っています。
保護者様は
お子さん育成のもと
沢山の不安や期待感を
お持ちだと思いますが
子供の自立心を信じ
思い切って
預けてみてください。
あとは
私も
出たとこ勝負で頑張ります!
ではでは
そんなご連絡でありました。
よろしくお願い致します。
世の河端