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2011年5月21日

土曜日に悪魔がやって来た

やあやあ皆さんお元気ですか??


僕はと言えば、元気玉を2個持ち合わせているわりにあまり元気ではありません


こんな夜中にタマちゃんジョークすいません






今日は、過ぎ日2011年5月14日。土曜日のお話。


この日、私とナガマツ氏西原の一の峰Climb Picnicに行って参りました。

この報告自体、多少遅れてしまったわけでありますが・・・
何せこの日の出来事は意外と脳内処理に時間を要したデリケートなお話でして。


ですので慎重に




最初は話を、匍匐前進気味で攻めて行きたいと思います。

あしからず。






では。






一の峰と言えば皆さんにもおなじみの異国クライミングスポットですね。



いつものようにアプローチをこなし、各自の時間で集合した岩の上



出迎えてくれた景色は、すっかり夏色に変わっており、異空間への風が吹き

私の魂は一気に浄化されて真っ白になりました。











虫とたわむれたり。
















草木と会話をし。


















岩の犬とじゃれあって














もうそれはそれは










鏡の国のアルフィー。





じゃなかった!






鏡の国のアリス



の様でした。









すぐ後にナガマツ氏も合流して、ボルダリングセッション







宿題の2Q課題をやられておりましたが・・・・・







おっと!









よいしょっ!!









あらよっと!!












・・・・・・・・・・・・・・・・・。





含み笑いをしまして。












・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

はい。







終了という事で。









もちろん私は、ポッケの1Q課題リピートして帰りましたけどね!!

楽しい楽しいMOVIEは今後まとめてUPします








さあ匍匐前進フェアは終わり




物語はココから始まります。








これよりエンジン全開で参りますので


振り落とされぬよう、しっかり手元のマウスにおつかまり下さい!










私達はこの後、一の峰を後にします。





一の峰のボルダーから見える、向かい側の山




そこにポツリポツリとある岩の数々










多分誰もが思った事のあるはず・・・・・・・『ボルダーいっぱいあるんじゃ??』



この好奇心の爆発が今回の悲劇を招く小さな小さな火種となります。






そんな事など知るはずもなく

私達は向かい側のロマンを求めて出発しました。






そのためには抜け道を探さなければなりません。





抜け道探し。




発見。






二台の車でズンドコズンドコ見えぬ未来へ向かいます。




キタ!!





そこには小川を渡るように伸びた明らかに怪しい林道が。


そして車一台通れるか通れないかの際どい小道







この先。

行くのか行かないのか。







二人で会議をしました。









今思えばナガマツさん・・・・。





やめておけば良かったんですよね・・・。











ごめんナガマツさん!!『行くっ!!!!!!!』










僕らの。いや、僕の出した答えは小学生の決めゼリフみたいなものでした。







『んーー??行く~!?』とナガマツさん。

それは、「やめた方が・・・」のシグナルだったんですよね






あなたは正しかった。






それでも2台はまずいんではないかと言う事になり、車1台に乗り合わせ

もう1台はちょっとユトリのあるスペースへ駐車。






さあ行くんだ!!MYトラベラー号!



・・・・いや、おふくろのイストよ。











スタンドバイミーが頭から離れない



車輪は道いっぱいいっぱいに広がって、タイヤと道の接地面を目視しながら進みます。





たぶんあの時、二人とも声には出さなかったものの、


思っていたんだと思います。







『これはやべえ。』







胸の特急列車停車駅すっぽかすほど行き場を失いかけた頃





僕らの道は断絶した。






もうそこには、あのギリギリなコンクリートを塗ったじゅうたんは無く、



あるのはブタ2匹分くらいの獣道でした。









答えを出す前に、答えはズゴンと叩き付けられており。


この場からいかに帰還するのか。










僕たちの目的は、生命の危機という引力によって知らぬ間に




『無事に帰ろう』





にすり替えられていたのです。






無事に帰ろう。
無事に帰ろう。








我々に残された道は、行き止まりとなった右側にかすかに
何回も何回も切り返してUターンできるスペース






有無を言わさずこれしか無かった。






無論。

Uターンを試みる。




しかし、コンクリートの一本道からそれれば
そこは腐葉土の下地




ぬちゃぬちゃと言わせながらもハンドルを切りアクセルを踏む。






『ああ。こんな所来るんじゃなかった。』







綺麗にターンをしてもう帰るんだ。


僕たちの流行る気持ちを尻目に、夢を乗せて走って来たこの

ほんの一瞬の合間に



子供の遊ぶミニカーのようになった。







ウィーーーーン!!!










完全にスタック








前輪駆動のタイヤは土が恋しくてたまらないと言う感じで



そこから離れようとしません









とりあえず、二人の頭の中は薄肌色くらいまでになりましたが。




いや、帰らなければ。





時刻は1時くらいでしたでしょうか。






ナガマツさんがスコップ穴を掘り掘り

私はアクセルを踏み込みます。






そしてタイヤは見事に空転







その繰り返し。







本当に最低でしたが、この時の二人には

まだほんの少しの余裕があったと思います。





しかし、この後。

予備燃料まで0になるほどの衝撃がボクたちを突き抜けます。





もう打つ手が無い





かるく闇の因果に包まれかけていた私に


ナガマツさんの神の様な救いの言葉







『よし、車で引っ張ろう。』

でした。






スゥーッが差し込んだように。


気持ちはいくぶんか、前向きになり。



少しの希望を感じていたわけです。






最初のプランはこうです。





結びつける。


お互いが車に乗り込み



アクセルを踏み合う。



引っ張る。

引っ張られる。




それだけです。






ゆっくりゆっくり。



せーの!!!!







踏み込みます。








ジリジリ・・・・。






動いた!!!!!!!!












はいその時です!













僕らの目の前に現れたのは
舞い下りた天使ではなく

確実にヘビー級はあろうかと言うほどの悪魔がドスンッ降り落ちて来たのでした。





そうです。






車の右後方






リンっと、根を生やし、たくましく生きる杉の木一本


み~つけたっ!!


です。






見事に車は私達の予想のルートを裏切り、そのたくましい青年の様な木


『こんにちは』
をしました





右後部座席の扉には、メッキリとその大木がめり込み



完全に力も気持ちも行き場を失ってしまったおふくろ号。


そしてボクたち








この時点で頭の中は薄肌色から真っ白へ





一瞬でした。





完璧にお終わったと思いました。








立ち尽くす二人。









この間も車さんと杉の木くんは素敵なメロディーを奏でています。





メリメキキルキルキュルキュルル♪







『あぁうっとり。』






なんて事は死んでも思いません。




落ち込む暇などありませんでした。






次のプランは、奥手の巨木に一度ザイルを渡して、車に戻すというもの。






ナガマツさんはアクセルを踏み。


ひたすら車のケツを持ち上げる





ただそれだけ。


何度やってもびくともしない。






『ン??サイドブレーキ引いたままやん。』





ナガマツ語録で、また一気に光が射します。




人は極限状態
絶対的境地に立たされた時、測り得ぬPowerを手にすると言います。





そして私は
それを体験した一人でもあるのです








火事場のクソ力。

ハルク・イン・マイ・ハート。









『One More!』






ナガマツさんの踏み込みと共に、私の筋組織メリメリと引きちぎれんばかりのFull Power!





西原全土に響き渡るんではなかろうかと言うくらいの悲鳴に近い叫び声!!







『ああああああああああああーーーーーー!!!!!!!!!!!!』







多分ターザン選手権があったなら僕はぶっちぎりの一位










ナガマツさんがアクセルを入れ。




私は毎朝通学で鍛え続けたふくらはぎにMAX入れ。




チキンレッグの芸当を持つ前腕はアニメのポパイの様にふくれあがり。



顔は七面鳥のように赤々とモンスターフェイス。




そして声帯をブッチギルくらいの地鳴り声をあげる。



全ての条件が揃ったその時。


奇跡の神は降り立ち




車はズリズリと動いたのです。




それを2、3度繰り返し車は何とか正常位まで戻す事ができました。




こんなに嬉しい事なのに



こんなに待っていた事なのに。




笑えるはずだったのに。




私達二人は、死神に骨髄をチューチューされたようになっていました。



なんでこんなに嬉しくないのだろう。





それは



払った代償があまりにも大きすぎたからだ






以前修理したばかりの、右後方のドアには
ベッコリと勝利の傷跡が残されたのでした。





帰りはテンションの低いまま、1台ずつ来た道を・・・・・






『オラーイ!オラーイ!オーライ!右オーライ!左オーライ!』







もう二度とこの地に用はない。





そう二人で固く思ったのでした。













その後は、ご想像の通り。





修理工房豆太さんの所で車の診察をしてもらいました。




とりあえずの応急処置をしてもらいましたが・・・・。



まあ確実に黙っててもバレるコースです。






でも豆レオン様ありがとうございました。



あなたの仕事っぷり、とくと拝ませて頂き、良かったです。




いや~プロですね。


プロですよ彼は!


いや~プロです。








皆さん何かあった時には、『豆工房ビーンズ』へ!!!!!!






お~しまいっ!!!












この後、家に帰った僕は母親の前でペッタンペッタンと平謝りをしたのでした。


もう行かない!!




そしてナガマツさん本当に申し訳ありませんでした。

と共に、本当に本当にありがとうございました。

生きて帰れて良かった。